
本『ハイファに戻って/太陽の男たち』ガッサーン・カナファーニー 著 黒田寿郎/奴田原睦明 訳
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「なぜ叫び声をあげなかったんだ。
なぜだ。
なぜおまえたちはタンクの蓋を叩かなかったんだ。
なぜタンクの蓋を叩かなかったんだ。
なぜだ。なぜだ。なぜだ」
ー「太陽の男たち」よりー
悲痛なまでの叫びは、空虚なこの世界を谺する。
はっとした。
これは、いま現在のことを言っているのではなかろうか。太陽の男たちは、これまでも叫んでいるし、これからも叫び続けるだろうし、タンクの蓋をずっと叩き続けている。もう、70年以上も。(この物語が書かれたのは1978年以前)
太陽の男たちの叫びが、タンクの蓋を叩く音が、聞こえない。いや、聞こえないのではなく、聞こうとしないのだ。
「オレンジ!
自分の手でそれを植え、育てていた農民が土地を追われ、オレンジから引き離されようとしたとき「オレンジは、その水加減をする手が変わると、枯れるのだ」と叫んでいたっけ」
ー「悲しいオレンジの実る土地」ー
これからは、オレンジを食べる度に、その爽やかな香りに宿るかれらの不遇を思い出すでことであろう。故郷を奪われたかれらの悲しみを。
民衆の“ために”書くのではなく、民衆の“ことを”そのまま書いた物語の数々。
これほどまでに心が揺さぶられる物語たちを、私は知らない。
“これで生きてるっていえるか?これなら、死んだ方がましだ”
ー「彼岸へ」よりー
かれらが、記憶ごとごっそり消されてなくなってしまわないためにも
かれらが、死んだ方がましだなんて自らが思わなくてもいいように
やれることやは山積みだ。
【タイトル、著者】『ハイファに戻って/太陽の男たち』ガッサーン・カナファーニー 著 黒田寿郎/奴田原睦明 訳
【出版社】河出文庫
【出版日】2017/6/10
【税込価格】¥968
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