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本『マチズモを削り取れ』武田 砂鉄

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"マチズモ"とは...

"男性優位主義"ということに、当の男性は、あらかじめ用意されたその特権にこれっぽっちも気づいていない。

男、めっちゃ有利なのだ。

考えすぎだと感じる人もいるだろう。
でも、本書は、考えすぎてみよう、という本だ。
古い価値観を壊し、新しい価値観を構築しようと試みる、本だ。

男女の雇用が均等ではないから、男女雇用機会均等法が生まれる。
男女ともに輝いていないから「女性が輝く社会」が謳われる。

男、めっちゃ優位なのだ。

そんな社会だから、フェミニズムを嫌う。怖がる。あるいは嗤う。
そもそも、男/女の二元論ではなく、性的マイノリティについて考えなくてはいけないよね、と話を展開させると、面倒くさがる。
そして、こっちの問題の方が重要でしょう、と別のところから何かを持ってくる。うん、大事な問題だけど、こっちの方が大事だよと言い始める。なぜ、どっちも大事とは考えないのだろう。

二章 電車に乗るのが怖い

ー東京に出てきて初めて痴漢にあった日、怖かったこと、不快で、忌まわしくて、吐き気がしたことを、しばらく誰にも話せなかったと、電車がこんなに恐ろしい乗り物だということは、誰も教えてくれませんでした。親や学校から「気を付けて」と言われても、気を付けようがないんです。ー

と経験者は語る。

痴漢について議論すると、「でも、痴漢冤罪もあるよね」と対立軸を設定する。
女も大変だけど、男も大変で、むしろ、人生狂わされているのは痴漢冤罪のほうなんだよと強気になる。いつのまにか、どちらが大変かで争おうとする。こっちは痴漢の話をしているのに、なぜ痴漢冤罪に話がすり変わってしまうのか。その争点、どこからもってきたんだ。

確かによくないよ、よくないとは思うよ、だけどさ、痴漢冤罪だってあるんだよ...という流れ。回避。回避というか、議論の沈静化。時間を掛けて沈静化させずに、「確かによくないよ」の時点で団結し、痴漢をやめさせればいい。痴漢冤罪だってあるんだよ、じゃない。

「都会には気をつけて」

とは言うものの、具体的に"痴漢撃退法"を誰も教えてくれない。
気を付けるべきは、被害者ではなく痴漢行為そのものをする卑怯な輩・加害者なのであって、己の性を白昼堂々さらけ出せる世の中そのものを変えなくてはならない。車内では"痴漢は犯罪です!"とこれ見よがしにアナウンスを流すべきだし、痴漢行為を他人ごとと捉えて見て見ぬふりする社会を変えていく必要があるのではないか。

イギリス鉄道警察の痴漢取締りキャンペーン
#reportittostopit
(通報してやめさせよう)
をジェンダーギャップ指数120位(先進国でもぶっちぎり)ヘルジャパンでも!

女性が泣き寝入りする日が来ないように。

余談ですが、2021年に読んだ本の中でも上位にランクイン(独断と偏見のわたし比)おもしろい上に、ためになる。


「マチズモを削り取れ」武田 砂鉄(集英社)

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