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本『父ではありませんが 第三者として考える』武田 砂鉄

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ー[略]つまり、どうでもいいことばかり考えている。

[...]どうでもいいことばかり考えているが、その反復によって、自分にとって、どうでもよくないこととは何かが立ち上がってくる。そんなことまで考えなくていいのに、と思わせた後にこぼれる言葉が、いつの間にか説得力を持つ。

どうでもいいことって、創作に直結するのだ。ー

2018.11.17朝日新聞「売れてる本」『腐った脳みそ』後藤 正文(ミシマ社)より

というのは著者 武田砂鉄のことではなく、彼が、後藤正文の書に寄せた評だ。

え、これって武田砂鉄そのものじゃんと突っ込みを入れたくなるほどに、武田砂鉄が自身を表現している書評に可笑しさがこみ上げる。

今回のテーマである、「第三者として考える」は、さまざまな可能性について思いを巡らし、同じところをぐるぐると思考が回転する。そう、第三者として。

想像は想像に過ぎないが、われわれは、大抵のことには第三者なのだから、当事者としての言動だけでは、なかなか視野が狭くなる。せまくならないためにも、われわれには、想像する力があるのだから、第三者であろうと、口をつぐむ必要はないのである。

この手の話をすると、決まって思い出すのが

シンパシー(共感)とエンパシー(他者の立場に立って想像する)だ。

「普通」はこうでしょ、と安直な枠に収まらず

「ない」

「できない」

「持っていない」

「やっていない」

から考え、他者の靴を履きどこまで歩き続けることができるのか

「第三者という当事者」

を想像してみる為の、思考の訓練帳。

【タイトル、著者】『父ではありませんが 第三者として考える』武田 砂鉄

【出版社】集英社

【出版日】2023/1/31

【税込価格】¥1,760

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